鍼灸治療が痛くないと言われる理由を解説 名古屋市中川区高畑の蓬祥鍼灸院

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鍼灸治療が痛くないと言われる理由を解説

名古屋の蓬祥鍼灸院の長谷川です。

鍼灸治療が気になっているけど痛みが気になって最初の一歩が踏み出せない方へ。

鍼灸治療はどうしても痛みが気になってしまうというそのお気持ちは非常によくわかります。

今回は鍼灸治療は痛くないと言われているけど、なぜ針を刺すのに痛くないといわれる理由、痛みを感じやすいケース、鍼治療独特の響きなどについて現役鍼灸師が解説していきます。

鍼灸治療が痛くないと言われる理由を解説します

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鍼灸治療が痛くないと言われる理由は主に3つあります。

 

鍼灸が痛くない理由は神経線維が関係している

鍼灸治療が痛くない理由は神経線維が関係してきます。

きっと多くの方が「どういうこと?」となると思いますが、これから簡単に解説していきます。

いわゆる感覚神経には触覚、圧覚、痛覚、温覚、冷覚など色々あります。

この感覚を脳に伝えるための神経線維はそれぞれ違ってきます。

  • 触覚、圧覚:Aβ繊維
  • 痛覚(一次痛)、冷覚:Aδ繊維
  • 痛覚(二次痛)、温覚:C繊維

一次痛と二次痛の違いですが、最初に感じる痛みが一次痛になり、その後に残るじんわりと続く痛みが二次痛になります。

そして、この神経線維は上から順に脊髄~脳に伝わるスピードが速くなっており、Aβ>Aδ>Cという順番になります。

ではここからが本題になります。

鍼灸治療を行う時にはまず施術者の手が患者さんの体に触れていることになります。

この時点でAβ繊維により触覚・圧覚が脳に伝わることになります。

そして鍼を刺す時に一次痛であるAδ繊維が脳に伝わることになりますが、ここがポイントになります。

  • Aβ繊維は痛みを伝えるゲートを閉じる
  • Aδ繊維は痛みを伝えるゲートを開く

すでにAβ繊維が先に脳に伝わっていることでゲートが閉じた状態になるので痛みを伝えるAδ繊維が脳に伝わりにくくなっています。

つまり、理論上では触圧覚により痛み刺激が加わったとしても脳には痛みは伝わりにくいということです。

ほとんどの方が経験したことがあるのが、痛いところを自然とさするという行為ですが、少し痛みが和らぐ感じがするのはこれが理由になり、これはゲートコントロール理論といわれております。

そして、鍼灸治療が痛くないと言われる理由もこういったことが関係してきます。

 

日本発症の「鍼管」を使用している

管鍼法

日本の鍼治療では「鍼管」というものを使用していることも痛みが出にくい理由の1つになります。

そして、この施術方法は「管鍼法」といい、江戸時代に杉山和一という人物が考案した方法になります。

鍼を刺す時にトントンと叩いて刺しますが、先ほどのゲートコントロール理論がここでも関係してくることになります。

ちなみにですが、韓国ドラマなどでは鍼をいきなりブスっと刺していますが、こちらは撚鍼法という刺鍼法になります。

 

鍼先が痛みが出にくい構造になっている

鍼は身体に刺すもののため先端はとがっているものです。

しかし、鍼灸で使用する鍼には先端はとがっていることには違いはありませんが、様々な形状をしております。

  • 松葉形
  • 柳葉形
  • 卵形
  • スリオロシ形
  • ノゲ形

この中でも最も痛みが出にくい形状が松葉形になりますが、日本の鍼治療で使用される針はこの松葉形の形状をしております。

さらに当院ではセイリンの鍼の中でもさらに痛みが出にくい針をメインに使用しております。

セイリンの鍼の先端技術に関してはこちらを参照ください。

 

鍼灸で痛みを感じるケース

鍼治療

鍼灸治療は針を身体に刺すことになるため痛みがないわけではありません。

そこで、痛みが出てしまうケースに関してもお話していきます。

 

身体の先端に行くほど痛みは起きやすい

身体の先端に行くほど痛みは起きやすくなってしまいます。

身体の先端である手のひらや指、足の甲や足底などはやはり感覚が鋭くなっているため、どうしても痛みを感じやすくなってしまいます。

「そんな先端に鍼を打つことはあるの?」という疑問もあるかと思いますが、重要なツボほど手首、足首から先に存在するため、使用頻度は高くなってしまいます。

ただし、こういったツボはどのような鍼灸治療をしているかによっても使うかどうかが分かれてきます。

例えば、肩こりや腰痛でも局所治療しかしないのであればほぼ使用することはありません。

しかし、当院のように東洋医学の理論に基づいた鍼灸治療を行っている場合は局所に針を刺すのではなく、手足や頭部などで治療を行っていくことになります。

そのため、使用頻度は高くなってしまいますが、必ずしも我慢できないほどの痛みがあるわけではありません。

また、指先に特殊な針を刺す刺絡療法という治療法もあります。

刺絡療法についてはこちらになります。

 

痛点に当たってしまうケース

痛点という皮膚に存在する痛みを感じる点に当たってしまうとやはり痛みを感じてしまいます。

どれだけ腕が良いはり師が鍼を打ってもこの痛点に当たった場合は結構な痛みが出てしまうため、どうしても避けられないことでもあります。

そして、この痛点は1㎠で平均130ほど存在すると言われています。

また、太い針ほどこの痛点に当たってしまう可能性が高くなり、細い針ほど避けやすくなります。

しかし、目で見えるわけではないため、どうしても当たってしまことがあります。

痛点に関してはこちらを参照ください。

 

はり師の腕が未熟&雑な手技

針を刺す時の痛みはやはりはり師の腕も関係してきます。

実際に私も体験入学の時に自分に針を刺しましたが激痛でした。

その後、入学し鍼の打ち方を学び、卒業し今年で16年目となりましたが、今では自分に打つ際は痛みを感じることの方が珍しくなっております。

そして、当院で初めて鍼治療を受ける方も「全然痛くなかった」、「気が付かなかった」とおっしゃられる方の方が多くなります。

また、針を打つ時の痛みは施術者の腕が未熟という点と雑な施術の場合も痛みが出やすくなります。

たくさんの鍼を打つということはそれだけ時間がかかってしまうことになりますが、少しでも早く終わらせようとすることで手技が雑になってしまいます。

そのため、痛みを出さないためには1本1本、ていねいに針を打つことも大切になります。

 

痛みとは違う鍼灸独特の「響き」

鍼治療を経験したことがある方の多くは針を刺した時に独特の「重い感じ」、「ズン」とした響きを感じたことがあると思います。

この感覚は人によって感じ方が変わってきますが、時々「痛み」と感じてしまうこともあります。

しかし、この感覚は痛みとはまた別で鍼灸では「得気」と言います。

そして、この得気は敏感な方ですと例えば足の甲に打っているのに腰の方にも響く感じがしたりすることがあります。

この得気ですがまだまだ科学的には解明されてはおりません。

ただ、施術をしていて感じるのは筋肉の硬結、つまり筋肉が固くなっている箇所ほど起こりやすいという感覚があります。

というのも、針を刺していくと鍼先にゴムのような抵抗感が出てきますが、この部分に当たった時に響きを感じることになります。

では、この得気は鍼治療にとっては重要なのかというと・・・決して重要ではありません!

実際にこの得気を感じなくてもしっかりと改善している方はたくさんいらっしゃいます。

また、鍼灸師の中にはこの得気を非常に重要視している人がいるのも事実で、しっかりと響かせるために刺した後に手技を加えることもあります。

しかし、感じ方は人それぞれのため自分にとっては刺激が強すぎると思えば、遠慮なく施術者に伝えるようにしましょう。

鍼灸治療後の好転反応について知りたい方はこちら

 

鍼灸が痛くないと言われる理由まとめ

鍼灸治療は非常に細い針を使用することになるため、基本的には痛みは出にくくなっております。

痛みが出にくい理由としては神経線維、日本が生み出した施術方法、鍼先の形状などが関係してきます。

しかし、身体にとがったものを刺す以上は痛みが出ることもありますし、鍼治療独特の響きを感じることもあります。

鍼灸治療を受けたことがない方の多くは痛みを気にしている方が多くいらっしゃいますが、少しでも痛みが出ない理由と痛みが出てしまう理由を知っていただけたらと思います。

プロフィール


【国家資格】

はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師

【鍼灸師になったきっかけ】

小学校から専門学校までバスケットボールをしており、高校時代に某高校のバスケットボール部のトレーナーをしている方の鍼灸院に怪我の治療でお世話になったことがきっかけ。
高校卒業後はスポーツトレーナーを目指し、トライデントスポーツ健康科学専門学校※現名古屋平成看護医療専門学校に通い、卒業後に名古屋鍼灸学校にて2009年にはり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師国家資格を取得。
現在は不妊症をはじめとした婦人科疾患や皮膚疾患、精神疾患などの治療に力を入れております。

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