関節リウマチがどのような病気で、どのような症状があるのか?診断基準などについて。
関節リウマチとは関節の痛みや腫れを伴う慢性の炎症性疾患となります。
初期は指の関節から始まることが多いが進行すると全身の関節の破壊と変形が起きてきます。
好発年齢は20~50代になり、男女比は1:4と圧倒的に女性が多く発症する病気になります。
16歳未満で関節の炎症が6週間続く場合に「若年性関節リウマチ」、現在では「若年性特発性関節炎」と言います。
関節リウマチの原因はマイコプラズマやウイルスなどの微生物の感染が原因と言われていますが、真の原因は現代医学においては不明となります。
①関節の症状
全身の関節の炎症が左右ともに起きることが多いが、初期には朝起きた時に関節がこわばり、動かしにくいのが特徴で、やがて関節の痛み、腫れが起こり、進行することにより関節の破壊や変形などが起き日常生活にも影響が出てくる。
②関節以外の症状
皮下の結節、間質性肺炎、肺線維症、胸膜炎、血管炎など色々な症状が出るシェーグレーン症候群など。
関節リウマチの診断基準は長らく1987年の米国リウマチ学会の診断基準を利用されていましたが、この診断基準では早期発見ができないために2010年より新しい診断基準が採用されるようになりました。
【新しい診断基】
この2点を基にし、
上記の項目で点数を付けていき6点以上でリウマチと診断されます。
罹患関節 | 点数 |
大関節1箇所 ※肩、肘、股関節、足首 |
0 |
大関節2~10箇所 | 1 |
小関節1~3箇所 ※指、手首 |
2 |
小関節4~10箇所 | 3 |
11箇所以上 ※顎、胸鎖、肩鎖を含めてよい |
5 |
血液清化学検査 | 点数 |
リウドマイド因子陰性、または抗CCP抗体陰性 | 0 |
いずれかが低値で陽性 | 2 |
いずれかが高値で陽性 ※正常上限の3倍を超える |
3 |
急性期反応物質 | 点数 |
CRP正常かつ赤沈正常 | 0 |
CRP、赤沈のいずれかが正常 | 1 |
症状の持続 | 点数 |
6週未満 | 0 |
6週以上 | 1 |
人によっては明らかにリウマチと思われる症状があるものの、上記の採点で6点以上ない場合やレントゲンで関節炎が見られない場合はリウマチと診断されず、投薬治療が開始されないこともしばしあります。
こういったケースでは数週間後に再検査をすることでリウマチと診断されることとでようやく治療が開始されるということがあります。
検査結果で治療を行うかどうかを決めるこの部分が西洋医学の問題点ではないかと思います。
関節リウマチの治療となると多くの方が病院での治療を選択されますが、鍼灸治療でも改善できる疾患となります。
関節リウマチに対する鍼灸治療は有効な治療手段のひとつとなります。
リウマチの方で鍼灸治療を選択される方の多くはプレドニンやメトレートというリウマチの治療薬を使用しているにもかかわらず、腫れや炎症に変化がない、肝機能の数値が悪くなってしまったためにできるだけ薬を使用したくないという方になります。
鍼灸治療には炎症を抑える効果があり、また患部だけではなく東洋医学的に全身の状態を「なぜリウマチが起きているのか?」ということを分析して、全身の治療を行うことで個人差はありますが血液検査でRF値などの数値にも変化が出てきます。
どんな病気でも同じですが、鍼灸治療を始めるのであればできるだけ早期から始めれた方が治癒しやすくなります。
また、病院の治療と平行していただいても問題はありません。
関節リウマチの治療をしていく上で気になるのが健康保険が使用できるかどうかという問題です。
まず、最初にご説明させていただくことは「リウマチの治療は鍼灸治療でも保険診療ができる」ということです。
しかし、保険診療を行う場合は2つの問題があります。
1つ目の問題というのが、保険診療を希望される場合は病院での治療を止めなければいけないということです。
どういうことかと言いますと、同一疾患で病院と鍼灸院のどちらも保険診療を行なうことはできないということが法律で定められています。
そのため、保険を使って関節リウマチの治療を鍼灸院で行うということは病院での治療は保険診療ができなくなってしまいます。
※正確には同一疾患で保険申請をされた場合は鍼灸治療の方が対象外となります。
2つ目の問題は鍼灸院側が保険診療をしていることです。
鍼灸院によっては保険診療は一切行っていないケースもあるため、事前に確認が必要となります。
逆の考え方をすれば、鍼灸は自費であれば病院での治療と並行して行うことが可能となります。
30代女性。
2019年1月下旬~起床時に右手の指や手首に痛みがあり、2~3日続く。
指や手首の痛みが治まると次は右の肘に痛みが起き、また2~3日痛みが続き、今度は肘ではなく、右肩が痛むようになる。
同様のことが今度は左指、手首→肘→肩→膝→足首へと痛む部位が変化してくる。
3月に近所の整形外科にてリウマチ検査の結果、リウマチ因子、抗CCP抗体陽性、炎症反応陰性のため、リウマチになりかけていると診断を受ける。
セカンドオピニオンのため、リウマチの専門クリニックを受診する。
血液検査、関節エコー、CT、レントゲン、骨密度の検査の結果ではエコー上、腱と関節に付着している部分の炎症はあるが、関節炎は見られず、MMP-3も基準値内であった。
リウマチの数値は出ているが、関節炎の所見がないことからリウマチではないと診断を受け、投薬もなし。
しかし、リウマチになっていく可能性が高いため経過観察になっている。
現在はロキソニンのみ現在は服用しているが、痛みがつらい時にしか飲んでいない。
また、来院時は左手首と両足首に腫れがあり。
その他、高校生の頃から生理不順で多嚢胞性卵巣症候群のため、生理が年に6~7回。
【弁証】:肝鬱化火証による関節リウマチ
鍼灸治療は週2回のペースにて開始する。
4診目を終えた時に病院での定期検査をすると両手首と右手の人差し指と小指のMP関節に炎症反応が出ていたため、関節リウマチと診断が出たため、プレドニンとメトレートによる治療を開始する。
鍼灸治療を始めて約1ヶ月が経過すると、上半身の痛みが楽になってきて、下半身、特に足の裏の痛みが強く感じるようになる。
約2ヶ月後にはロキソニンを服用しなくても問題ないぐらいにまで痛みが治まり、また指のこわばりもほとんどなくなったため、鍼灸治療のペースを週1回に変更しました。
また、不定期だった生理も月に1回は来るようにもなりました。
2週間ごとに行う定期検査でのRF(リウマチ因子)の変化としては80→55→31→16→13→11と徐々に下がっていき、CRPに関しては当初からそれほど酷い数値ではありませんでしたが、0.22→0.04まで低下。
プレドニンも鍼灸治療を開始して5ヶ月目から徐々に減薬が始まりましたが、RFの数値が上がることもなく安定した状態が続く。
鍼灸知慮を始めて約10ヶ月でプレドニンを使用しなくてもRFの数値が上がることもなく、またCRPも安定しているため、鍼灸治療を終了する。
時間はかかりましたが、最終的にはプレドニンを使用しなくても数値が安定した状態を維持できるようになりました。
関節リウマチは女性が気を付けなければならない病気の1つとなります。
特に遺伝しやすい病気でもあるため、母親や祖母が関節リウマチになっている場合は注意が必要となります。
また、鍼灸治療においても関節リウマチは保険適用疾患となりますが、この場合は鍼灸院が保険診療をしていることと、病院での治療を中止する必要があるという点にはご注意ください。
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