パニック障害とは健康上何の問題もないのにある日突然、発作的に恐怖や不安に襲われたり、動悸、胸の痛み、めまい、頭痛、冷や汗、吐き気、腹痛などの身体的な症状で出てくることにより日常生活にも影響が出てしまう病気になります。
男女の比率では1:2とやや女性に多く、20歳前後で発症するケースが多くなり、次いで30歳前後に多くなるため、比較的若い方が発症しやすい病気とも言えます。
女性の方が多くなる利用は残念ながらはっきりとはしていませんが、思春期や更年期によるホルモンバランスの乱れも考えられています。
パニック障害は10代〜30代になりやすいことを考えても、ストレスとの関係は否定できません。
10代では勉強や思春期特有の悩みがあり、20代では一人暮らしを始める、社会人になる、早い人であれば家庭を持つ人もいます。
さらに、女性の場合は10代ではホルモンバランスが整っていないこともあり、自律神経にも影響が出てしまいます。
また、ストレスにより自律神経が乱れることでホルモンバランスが崩れてしまうこともあります。
こういたストレスがパニック障害を発症する原因となってしまいます。
また、性格的な問題も指摘されております。
こういった方もパニック障害を発症しやすくなるため注意が必要となります。
パニック障害では主に3つの症状が出てくることになります。
パニック発作とは突然襲ってくる不安感、動悸、めまい、手足のしびれ、吐き気、冷や汗などになりますが、数分でおさまることも多くあります。
予期不安とは「また突然パニック発作が出てしまうのではないか?」、「発作が出たら死んでしまうかもしれない」という不安感になります。
広場恐怖とは例えば、スーパーで買い物中に発作が出た経験がある場合に、「同じ場所に行った時にまた発作が出るのではないか」という不安感から同じ場所に行くことを避けることになります。
このような症状があればパニック発作の可能性があるため、まずは心療内科を受診してみましょう。
病院でのパニック治療は薬物療法とともに行動療法(精神療法)が行われます。
薬物療法では抗不安薬とSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)が使用されますが、抗不安薬は比較的即効性があるのに対して、SSRIは効果が出るまで3週間前後かかるとされています。
また、一時的にではありますが副作用によって吐き気、下痢、だるさなどが出ることがありますが、自己判断で止めることは避けるようにし、あまりにも副作用が出る場合は医師に相談するようにしましょう。
参考サイト:SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の解説
パニック障害を治療する上で大切なのが、行動療法(精神療法)とも言えます。
パニック障害の症状として予期不安や広場恐怖という症状がありますが、パニック障害になってしまうと発作が起きた場面を避けがちになってしまいます。
しかし、あえて同じ場面を経験することによって発作が起きなかったという「成功体験を積む」ことが大切となります。
とはいうものの、最初はどうしても不安になってしまうものです。
そのため、少しづつ行っていく必要があります。
例)買い物中に発作が起きたことがある
最初は1人では不安感も強いと思うため、家族に協力してもらうと良いかと思います。
また、心を落ち着かせるためにも腹式呼吸のやり方も抑えておくようにしましょう。
パニック障害の治療は薬が中心となりますが、薬に頼りたくないという方もいらっしゃると思います。
そこでパニック障害に対する鍼灸治療の効果についてお話していきます。
パニック障害に対しての鍼灸治療の効果は期待できると言えますし、実際に多くの方が鍼灸治療で改善しております。
鍼灸治療には自律神経を整える効果があることが、パニック障害にも効果が期待できる理由となります。
また、ツボの中には安心作用を引き出す効果のあるツボ、ストレスを発散させるような効果のあるツボもあるため、一人ひとりの身体の状態を見ていき、ツボを選択していきます。
ただし、抗不安薬のような即効性があるわけではありません。
そのため、基本的には週1〜2回のペースにで継続して治療を行っていく必要があります。
もちろん、鍼灸治療と並行して病院の治療を行っていただいても問題ありませんし、多くの方が病院に通いながら鍼灸治療も選択されております。
早い方であれば半年ほどで改善しますが、パニック障害の治療は焦りは禁物となります。
薬ではなかなか改善しなかったり、副作用がきついという方は鍼灸治療も選択肢としてお考えいただければと思います。
パニック障害の東洋医学での考え方は主に2パターンになります。
パニック障害の場合はこのどちらかの状態であることが多くなります。
東洋医学ではストレスにより気の滞りが続いてしまうと、熱が発生するという考え方があります。
イメージとしては人が大勢集まっている場所は人の流れが悪く、その場所にいると暑苦しくなってくると思います。
そして、この熱が心身に影響を与えることでパニック発作が起きてきます。
また、血は東洋医学では精神安定剤の役目を果たします。
そのため、血を消耗するようなことが続いてしまうことで精神が不安定になってしまうことでパニック発作が起きることになります。
欠を消耗する原因としては大量の出血、食事制限、考え込んでしまう性格、睡眠不足など。
このように鍼灸治療では一人ひとりの体質を見極めて鍼灸治療を行っていきます。
34歳女性、2022年12月来院。
5年前に結婚したことによる引越しと新しい会社に就職したことがきっかけで、引っ越し後2週間でパニック障害を発症。
症状は息苦しさ、動悸、不安感、頭が重くなるなど。
心療内科にて服薬での治療とカウンセリングでの治療を始めると症状は秋頃にはほぼなくなってくるが、翌年の春に再度、同様の症状が出てくる。
この頃に妊娠が発覚したため、薬が使用できないために会社を休むことにする。
出産は地元にて行い産後は実家にて生活していたが、子供の夜鳴きが酷かったことが原因で産後半年ごろから産後うつになり、睡眠薬を使用と半年ほど子供と離れて生活したことで回復する。
春に仕事に復帰するが、再度漠然とした不安感に襲われるようになるが、秋頃になると自然と不安感はなくなる。
このようなことが毎年起きるようになり、今では年中セルトラリン50㎎とマイスリー5㎎を飲んでいる。
【弁証】:心脾両虚証によるパニック症状および不眠症
結婚と転勤による生活環境の変化によるストレスからくる肝鬱化火による産後うつやパニック発作であると考えられますが、長期に及び脾が弱ることにより心血不足を引き起こし心脾両虚となったと考えられます。
そのため、神門穴で心血を補い心神の安定を図り、血を作り出す脾の働きを高めるために足三里への鍼とお灸を行っていく。
治療は週1回のペースで行っていく。
4診目頃から調子が良くなってきたため、薬の量が半錠になったが眠れている。
4月に入り、仕事の引継ぎなどで忙しかったが、不安感もない状態が続いており、薬の量も1/4にしたり、全く飲まない日もある。
調子が良く今までのような症状は出ないために治療ペースを2週間に1回に変更する。
週2回のペースに変えてから職場での部署移動があり以前よりも忙しくなるが症状は出ていない。
その後も月1回に変更しても問題ない状態が続いたため、21回の治療で終了。
パニック障害は比較的若い世代がかかりやすい心の病気になり、約100人に1人の割合でなってしまう決してめずらしい病気ではありません。
引き金となるのは過去や現在のストレスに加えて、性格として完璧主義の方がなりやすくなります。
病院では薬による治療とカウンセリングが中心となりますが、薬に頼りたくないという方は鍼灸もご検討いただければと思います。
パニック障害は心の病になりますが、一人ひとりの身体の状態を診て治療をしていきます。
「心身一如」。
心と体はつながっているため、鍼灸治療では身体の治療をすることで心の状態を改善していきます。
高プロラクチン血症の鍼灸治療
蓬祥鍼灸院の長谷川です。 高プロラクチン血症が不妊の原因になる理由が知りたかったり、妊娠できるのかどうか気になっていませんか? 高プロラクチン血症は不妊の原因と…
円形脱毛症の鍼灸治療
円形脱毛症について
アトピー性皮膚炎の鍼灸治療
Contents アトピー性皮膚炎とは乳幼児期(3歳頃まで)幼少期(4~10歳頃まで)思春期、成人期アトピー性皮膚炎の原因は?大人になってから再発したり、突然ア…
坐骨神経痛の鍼灸治療
Contents 坐骨神経痛について坐骨神経は人体で最も太く長い神経坐骨神経痛の主症状は痛みとしびれ坐骨神経痛で痛む部位は臀部から足先まで坐骨神経痛の原因梨状筋…
うつ病の鍼灸治療
Contents 日本の大きな問題「うつ病」についてうつ病の原因うつ病になりやすい人の特徴うつ病の男女比うつ病の前兆うつ病の治療期間はどのくらい必要か?うつ病の…
当院は完全予約制です。
施術中、問診中は電話に出られない場合がございます。時間をおいてからおかけ直し頂くか、お問わせフォームまたはLINEにてお願いいたします。
婦人科系疾患
不妊症・更年期障害・生理痛・生理不順・冷え性・子宮内膜症など
神経系疾患
うつ病・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠症・神経痛・神経麻痺など
皮膚科系疾患
アトピー性皮膚炎・ニキビ・円形脱毛症・湿疹など
運動器系疾患
関節炎・リウマチ・肩こり・五十肩・腰痛・坐骨神経痛・腱鞘炎・頸肩腕症候群・捻挫など
循環器系疾患
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧・動悸・息切れなど
呼吸器系疾患
気管支炎・喘息・風邪など
消化器系疾患
食欲不振・胃痛・慢性胃炎・潰瘍性大腸炎・逆流性食道炎など
眼科系疾患
眼精疲労・緑内障・仮性近視・結膜炎・かすみ眼・飛蚊症など
代謝・内分泌系
疾患
バセドウ病・糖尿病・痛風・貧血など
耳鼻咽喉科系
疾患
中耳炎・耳鳴り・難聴・花粉症・アレルギー性鼻炎・メニエール病など
泌尿器・
生殖器系疾患
膀胱炎・過活動膀胱・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大症など