現代社会で問題となっているのがうつ病になります。
うつ病をはじめとした精神疾患の患者数は年々増加しており、患者数は400万人と言われているため大きな問題となっています。
なぜこれほどまで患者数が増えてしまっているかと言うことですが、その背景にはストレス社会が関係してきます。
激しくなる管理社会や競争社会に加えて、ここ数年ではブラック企業による苛酷な労働環境により充分な休息が取れない方が増えてしまうために心の病にかかってしまう方が増えてしまっています。
うつ病は一見すると病気かどうかが分からない部分があります。
理解のない人からすると「やる気が無いだけ」、「怠けているだけ」という見方をされてしまいこともあり、ふとしたことがきっかけで自殺してしまうのがうつ病の恐ろしいところでもあります。
そのため、うつ病患者を増やさないためには体の健康と同じように心の健康にも気をつけていかなければいけません。
うつ病のはっきりとした原因は解明されていないが、やはり多くの方が何かしらの強いストレスが原因となっています。
ストレスなどにより脳から分泌されるノルアドレナリンとセロトニンという神経伝達物質の分泌量が減ることによりうつ病が起きるとされています。
このノルアドレナリンとセロトニンは気分や意欲、記憶などの人の感情にかかわる情報をコントロールし、心と身体の働きを働きを活性化しています。
現代においてのストレス源で最も多いのは仕事に関すること。
しかし、ストレスは仕事だけではなく、身体に関すること、家庭、お金、引っ越し、妊娠、出産、近親者との死別など様々あります。
うつ病は性格との関係も指摘されており、責任感が強い方やがんばり屋の方は自分の許容量を越えて仕事をしてしまい、心と身体のバランスを崩しやすくなります。
そのため、ある程度は考え方を変えていくこともうつ病を克服するためには必要となります。
うつ病の男女比は女性の方が約2倍と言われてきましたが、現在はあまり差はないと言えます。
なぜ、女性の方が多いと言われてきたかというと、女性は月経周期や妊娠、出産などによるホルモンバランスの影響という女性特有の理由があるためです。
うつ病はいきなりなる病気ではなく、前兆となる症状があります。
そのため、以下のような症状がある方は要注意となります。
ご自身や家族がうつ病になってしまうと「治療期間はどのくらいかかるのか?」ということは非常に気になる部分でもあると思います。
そのため、うつ病の治療期間について以下3つの観点からお話ししていきます。
一般的にはうつ病の治療治療期間は早い方で3~6か月、長い方で半年~1年ほど、さらにかかる方では数年必要となるケースも出てくることがあります。
治療期間はやはり個人差があるため、どのくらいで良くなるかというのは一概には言えません。これはうつ病だけの問題ではなく、どんな病気・怪我であっても同じことが言えます。
また、うつ病は一旦症状が治まったとしてもちょっとしたことがきっかけで再発してしまうこともあります。
そのため、慎重に治療をしていいかなければならない部分もあるため、治療期間はそれなりにかかるケースが多くなります。
うつ病の治療が長期にわたってしまう原因の多くは「うつ病になった原因が取り除けていないこと」であるケースが多くなります。
元々うつ病は過度のストレスにより発症してしまうため、うつ病の原因となったストレス源を取り除く必要があります。
仕事が原因であれば部署を変えてもらう、会社がしっかりと対応してくれない場合は転職することも必要になってきます。
また、ご近所トラブルであれば引っ越しなどで環境を変えることも考える必要があります。
うつ病だけではありませんが、治療をする場合は患者と医師という関係性が生まれる以上は必ず相性の問題も出てきます。
ネットの口コミで高評価の病院でもそれはあくまでも他人の意見であるため、自分自身に合うかどうかは別問題です。
また、病院関係のネットの口コミは嫌がらせとも取れるような内容も含まれているため、低評価の病院でもしっかりしている病院はたくさんあります。
大切なのは今通っている病院や医師が自分に合っているかどうかです。
そのため、以下のような場合は病院を変えてみるのも良いかと思います。
ただし、病院を変えたからと言って劇的に良くなるわけではないということは覚えておきましょう。
うつ病の治療となると多くの方は心療内科や精神科を選択されると思いますが、中にはできるだけ薬に頼りたくないという方もいらっしゃいます。
そこでうつ病に対しての鍼灸治療の効果についてお話していきます。
東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科と市ヶ谷ひもろぎクリニックが行った共同研究にて、以下のような発表がありました。
うつ病の患者様が鍼治療を3カ月間続けた結果が紹介されました。この治療では、光トポグラフイー検査を使った脳血流量や、うつと不安の度合いを測る尺度(H-SDS、H-SAS)が、治療を行う前と後で大きく変化していることが明らかとなり、患者様のインタビューや渡部芳徳医師の解説によって、うつ病(症状)の治療において、鍼治療が一つの選択肢として有用であることが述べられています。
※市ヶ谷ひもろぎクリニックのサイトより抜粋
我々、鍼灸師としてはうつ病の方の治療を実際にしているため、うつ病に対しての鍼灸治療の効果はあると実感していましたが、このように科学的に証明されることは非常にありがたいことでもあります。
詳細については以下ご参照ください。
「うつ病と鍼治療」の様子がNHK『東洋医学ホントのチカラ』で紹介されました
東洋医学独特の治療法としてあげられるのが、体のバランスを整えることです。
西洋医学では心の問題として抗うつ剤や睡眠薬の処方、カウンセリングでうつ病の改善を図りますが、東洋医学では病気になる原因は体のバランスが乱れたために起きると考えます。
この考え方はうつ病であっても変わりません。
また、人体には400以上のツボがありますが、その中にも精神を安定させる効果のあるツボも存在します。
そのため、体のバランスを整えながらも精神を安定させるツボを使用してうつ病を改善していきます。
こちらも東洋医学独特の治療であり、おそらく西洋医学では行えない治療法になるかと思います。
東洋医学では体から心へのアプローチを行います。
具体的にどういうことかと言うと、うつ病の症状は精神面だけではなく、身体的な症状もあります。
このような身体的な症状を改善していくことで心も少しづつ楽になっていきます。
これを東洋医学では「心身一如(しんしんいちにょ)」と言い、心と身体は繋がっているという意味になります。
2021年5月来院。
数年前から更年期障害のような症状と激しい生理痛があったため婦人科を受診し血液検査をすると、FSHが異常に高く更年期障害と子宮腺筋症、チョコレート嚢腫と診断される。
子宮腺筋症による生理痛は「ミレーナ」という器具を使用し、生理を止めることで対処することになった。
今年の3月下旬頃から一気に気分の落ち込みが酷くなり、また生理痛のような下腹部痛と不正出血が起きる。
思い当たる原因としては現在、実母と同居している状態だが、母親のわがままが酷いことが一番のストレスになっている。
婦人科を受診しホルモン剤(ノアルテン)を服用するがあまり効果がなく、抗うつ剤を勧められるが抗うつ剤はどうしても飲みたくないという気持ちがあり、友人に鍼治療を勧められる。
【その他の自覚症状】
気分の落ち込み、眠気、汗をかきやすい、めまい、肩こり、イライラ、抑うつ感、体のだるさ、胃もたれ、頭痛、腰痛、食欲があるのかないのかよく分からない、下腹部痛、不正出血。
【既往歴】
10歳の頃より家庭環境の影響もあり2~3年おきに胃潰瘍を発症。
円形脱毛症も過去に2回発症。
弁証:肝脾不和証、脾不統血証による更年期うつ、および不正出血。
週1回のペースにて鍼灸治療を行っていく。
初回の治療中にお腹がグーグーと鳴り出し、空腹感が出てきて、治療後は気分がスッキリとし、心のモヤモヤ感もかなり改善され、表情も明るくなる。
その他にも首肩の重荷が取れ軽くなり、腰痛もなくなり、一本の鍼で体の状態がとても変化したことに驚きながらも喜んで帰宅。
1週間後に来院されると、周囲で少し嫌なことがあり初回と同じぐらいまで気分が落ち込んでいる。
その他としては肩や腰の痛みは多少あるが、下腹部の痛みはほとんどなし。
2回目以降は鍼だけではなく、お灸も使用し脾胃の弱りからくる不正出血に対しての施術も行っていく。
前回の治療後より気分の落ち込みは全くなくなり、不正出血もピタリと止まる。
以後は食べ過ぎると胃痛が起きることなどもありましたが、その都度鍼灸治療を行うことで改善することができており、母親に対しても「替えることができない電化製品」という考え方をするようになったことでうつ症状は改善していきました。
2週間、3週間と間隔をあけても気分の落ち込みはなかったため、13回で治療を終了。
うつ病は今の日本では現代病の一つと言ってもいいぐらいの病気になっており、社会的にも非常に大きな問題となっています。
特にコロナが蔓延し始めてからというものの、経済的な理由や人と気軽に会えないなどのストレスが引き金となりうつ病を発症している方も増えています。
病院の薬でうつ病が改善される方もいれば、なかなか改善されない方もいらっしゃるかと思います。
このような場合は病院を変えてみるのも良いですし、思い切って鍼灸治療も選択に入れてみてはいかがでしょうか?
鍼灸治療を始めても時間はかかる場合はありますが、薬での治療よりは体への負担は少なくなります。
バセドウ病の鍼灸治療
Contents 女性が気を付けたいバセドウ病についてバセドウ病とはどのような病気かバセドウ病の原因バセドウ病の特徴的な症状甲状腺ホルモンの働きについてバセドウ…
自律神経失調症の鍼灸治療
自律神経失調症について
五十肩の鍼灸治療
Contents 五十肩について五十肩の正式名称は肩関節周囲炎五十肩の原因五十肩かどうかを見分けるポイントは?四十肩は実は五十肩です五十肩の治療について基本は運…
橋本病の鍼灸治療
Contents 慢性甲状腺炎である橋本病について橋本病とはどのような病気か橋本病の原因橋本病と甲状腺機能低下症の関係橋本病の特徴的な症状橋本病に対する鍼灸治療…
高プロラクチン血症の鍼灸治療
蓬祥鍼灸院の長谷川です。 高プロラクチン血症が不妊の原因になる理由が知りたかったり、妊娠できるのかどうか気になっていませんか? 高プロラクチン血症は不妊の原因と…
当院は完全予約制です。
施術中、問診中は電話に出られない場合がございます。時間をおいてからおかけ直し頂くか、お問わせフォームまたはLINEにてお願いいたします。
婦人科系疾患
不妊症・更年期障害・生理痛・生理不順・冷え性・子宮内膜症など
神経系疾患
うつ病・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠症・神経痛・神経麻痺など
皮膚科系疾患
アトピー性皮膚炎・ニキビ・円形脱毛症・湿疹など
運動器系疾患
関節炎・リウマチ・肩こり・五十肩・腰痛・坐骨神経痛・腱鞘炎・頸肩腕症候群・捻挫など
循環器系疾患
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧・動悸・息切れなど
呼吸器系疾患
気管支炎・喘息・風邪など
消化器系疾患
食欲不振・胃痛・慢性胃炎・潰瘍性大腸炎・逆流性食道炎など
眼科系疾患
眼精疲労・緑内障・仮性近視・結膜炎・かすみ眼・飛蚊症など
代謝・内分泌系
疾患
バセドウ病・糖尿病・痛風・貧血など
耳鼻咽喉科系
疾患
中耳炎・耳鳴り・難聴・花粉症・アレルギー性鼻炎・メニエール病など
泌尿器・
生殖器系疾患
膀胱炎・過活動膀胱・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大症など