東洋医学と西洋医学はどちらがいいのか知りたいと考えている方へ。
体の不調があり困っているけど、この症状を改善するためには東洋医学である鍼灸や漢方薬と西洋医学のどっちがいいかとお悩みではありませんか?
今回は臨床歴16年目の現役鍼灸師がこの疑問にお答えしていきます。
また、あわせて西洋医学と東洋医学の違い、それぞれのメリットとデメリット、東洋医学と西洋医学の使い分けに関しても解説していきますので参考にしていただければと思います。
現在では病院でも漢方薬を処方されることが増えたため、東洋医学に触れる機会が増えていると思います。
そのため、東洋医学と西洋医学のどっちがいいのか?という疑問が出てくるのは当然のことかもしれません。
そこで、以下の内容についてお話していきます。
東洋医学と西洋医学のどちらがいいのか?と聞かれれば、私は「東洋医学と西洋医学、それぞれのかかりつけ医を持つのがベスト」とお答えします。
なぜこのような答えになるかというと、後ほど詳しく解説しますが東洋医学を代表する鍼灸・漢方薬にもメリット、デメリットがあります。
また、当然のように西洋医学も同じことが言えるため、どちらもかかりつけ医を見つけておくのがベストという考え方になります。
そもそも、東洋医学と西洋医学では全くと言っていいほど体の診方が違いますし、病気の考え方も違うため、治療の仕方も当然変わってきます。
つまり、東洋医学と西洋医学のどちらが良い・悪いという話ではないということになります。
東洋医学と西洋医学の違いは簡単に言うと以下のようになります。
東洋医学は検査機器がない時代から行われています。
では、どのように体を診ていたのかというと、患者さんから症状以外にも、生活習慣、、脈を診る、舌を診る、お腹を触ってみる、体臭、尿の色、便の状態など症状以外にもあらゆる情報をもとに体の状態を分析していきます。
そして、体の中の気・血・水・臓腑のバランスを診ることによって一人ひとりの体質を見極めて治療を行っていきます。
つまり、病気や症状のある個所を診るのではなく、体全体を診て治療をしていくことになります。
ゆえに、東洋医学では同じ病気でも一人ひとり原因が違うことがあるため、「同病異治」となったり、違う病気でも原因が同じであれば治療法が同じとなるため「異病同治」となります。
西洋医学ではご存じの通り、レントゲン、エコー検査、MRI、CTなどの画像検査や血液検査、尿検査などを行うことで原因を特定していくことになります。
そして、この検査結果に基づいて薬を処方したり、場合によっては手術を行うことになります。
つまり、西洋医学は症状や疾患のある臓器・組織に注目し治療が行われます。
では次に東洋医学のメリットとデメリットについてお話していきます。
【東洋医学のメリット】
先ほどもお話ししましたが、東洋医学は症状のある部位だけではなく、全身を診て治療を行っていきます。
そのため、検査で異常が見つからなかったとしても東洋医学の観点から身体体を診ていくことで不調の原因を発見することができます。
また、何となく不調が続いているけど検査をしても問題ない状態は「未病」の状態となります。
この未病に対しては西洋医学では治療が難しくなってしまいますが、東洋医学では治療が可能となります。
さらに、東洋医学には副作用がほとんどないことも大きなメリットとなります。
【東洋医学のデメリット】
東洋医学のデメリットはやはり改善までに時間がかかってしまい、なおかつほとんどのケースで保険が適用されないため時間と費用が掛かってしまうという点です。
中にはすぐに改善することもありますが、やはり少数派になります。
また、治療者の技術や患者さんとの相性も治療効果には関係してきます。
そして、鍼灸治療に関しては世界保健機構(WHO)にさまざま症状に効果があることは認められてはいますが、なぜ効果があるのか?という客観的なエビデンスもまだまだ不足しているといえます。
次は西洋医学のメリットとデメリットについてお話していきます。
【西洋医学のメリット】
日本においての西洋医学のメリットは何といっても国民皆保険制度によりすべての国民が保険適用にて治療を受けることが可能という点です。
さらに血液検査や画像診断などにより病気の早期発見ができ、治療もエビデンスに基づいて治療が行われることになります。
また、治療効果もケースバイケースではありますが、投薬や手術などにより即効性も高くなります。
【西洋医学のデメリット】
西洋医学の治療は基本的には症状を改善するというよりも「薬によって抑え込む」、「手術により問題を体から取り除く」ということになります。
つまり、無理やり症状を抑え込んだり取り除くことになるため、人によっては副作用が出てくることがあります。
また、西洋医学は診療科が分かれているため、いろいろな診療科を受診しなければならないということも出てきます。
何よりも体の不調があるにもかかわらず検査をしても異常が見つからないという場合は治療が難しくなってしまいます。
東洋医学と西洋医学をどのように使い分ければいいのかをお話していきます。
身体の不調、急性期、怪我の場合はまずは西洋医学、つまり病院を受診し、しっかり検査をしてもらうのがベストとなります。
これは西洋医学のメリットの部分でもお話しておりますが、血液検査、レントゲン、CT、MRIなどの画像検査をすることで大きな病気が隠れていないかどうかがはっきりします。
また、怪我をした場合でも骨や靭帯に異常が起きていないかも画像診断をすることではっきりします。
薬の治療に抵抗かある方もいらっしゃるかもしれませんが、病気の治療としてはまずは薬で様子を見て改善が見られればOKです。
「薬を飲むな」、「飲んでいるから治らないんだ」ということを言う鍼灸師もいますが、私個人としてはまずは薬で治療をすることは問題ないと考えています。
実際に私自身も副鼻腔炎で39℃の熱が出た時は耳鼻科を受診し、処方された抗生物質を飲んで治しました。
そのため、まずは病院で治療をして、なかなか改善しない場合や薬によるアレルギー症状である薬疹が出てしまう場合は東洋医学を選択しましょう。
慢性症状や検査をしても異常が見つからないけど体の不調が続いている・・・このような場合は東洋医学を選択しましょう。
薬を飲んでいるのに慢性的に症状が続いているということは薬はあまり効果がないということになり、肝臓に負担をかけているだけと言えます。
また、検査をしても異常が見つからない場合はとりあえず対症療法として処方された薬を飲むことになりますが、これもやはりなかなか効果を感じることは難しくなってしまいます。
このような場合は思い切って東洋医学である鍼灸や漢方薬を試してみましょう。
東洋医学は西洋医学とは違った角度から体を診ていきます。
東洋医学独特の脈診、舌診、腹診、顔色から体の中の気・血・水・五臓六腑のバランスを診ることで身体の不調の原因を探っていきます。
こういった点からも慢性症状や不調があるにもかかわらず検査をしても異常が見つからないという場合は東洋医学を選択してみましょう。
鍼灸治療を始めたら薬をやめるべきかどうかについてはこちらを参照ください。
体質改善をしたい場合は東洋医学にお任せください。
この体質改善は西洋医学ではやはり難しいことになります。
先ほどもお話ししましたが、薬は症状を改善するというよりも抑え込むものになります。
そのため、何かをきっかけに症状がぶり返すということがあります。
対して体質改善をするということは症状の原因となっている体質にアプローチをかけることになるため、根本から改善することができます。
しかし、体質改善をするためには治療を受けるだけではダメな理由があります。
なぜなら、今の体を作り上げた今までの生活習慣を見直し、患者様自身でも生活習慣の改善に取り組んでいただく必要があります。
これは、鍼灸でも漢方薬でも同じことが言えます。
もっと言うと、西洋医学であろうと東洋医学であろうと生活習慣の改善は絶対的に必要と言えます。
そのため、体質改善をしたい方はまずはご自身の生活習慣の見直しから始めてみましょう。
東洋医学と西洋医学のどちらがいいか?という問題ですが、答えとしてはどちらが良い・悪いとは言えません。
あえて言うのであれば、体の不調が出た時にどちらにも相談できるように両方のかかりつけ医を見つけておくのがベストになります。
私個人としては体の不調が出た時はまずは病院で検査を受けて、問題が見つかればまずは薬で様子を見てみる。
薬ですぐに改善できれば良いですが、なかなか改善しなかったり、原因が見つからなかった場合は東洋医学に切り替えるというのが良いのではないかと思います。
東洋医学にも西洋医学にもメリットとデメリットがあるため、良いとこどりをしていきましょう。
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