バセドウ病は自己免疫疾患の1つになりますが、比較的多くみられる病気になります。
バセドウ病とは喉の前面にある甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることにより、代謝の亢進、自律神経刺激により他の臓器に影響が出る自己免疫疾患になります。
男女差では1:5~6人と圧倒的に女性がかかりやすい病気の1つになり、20代~50台の女性が多くなります。
そして、特に30~40代の女性がかかりやすくなります。
圧倒的に女性の方が多く罹患する病気となりますが、時に男性でも発症することがあります。
バセドウ病の原因は不明となっていますが、TSH受容体に対する抗TSH受容体抗体によって甲状腺が過剰に刺激を受けているために発症すると考えれています。
通常は脳の視床下部からTRHを分泌→下垂体前葉からTSHを分泌→甲状腺という流れで情報が伝達され、ホルモンの分泌調節を行ないます。
しかし、バセドウ病の場合は下垂体から分泌されるTSHを受け取るTSH受容体に対する抗体ができてしまい、この抗体が甲状腺を刺激してしまっている状態になります。
また、過度のストレスが引き金となったり、遺伝なども関与してきます。
そのため、祖母や母親がバセドウ病の場合では娘や孫がいる場合は6~10倍ほど発症するリスクが高くなってしまうため、注意が必要となります。
そのため、もしバセドウ病を発症した場合は家族内で発症している人がいないか確認していましょう。
バセドウ病にはいくつかの特長的な症状があるため、比較的発見しやすい病気にもなります。
【バセドウ病の特徴的な症状】
このような特徴的な症状がバセドウ病には診られます。
その他、精神が不安定になる、生理不順、頻脈、暑がり、食欲亢進などの症状があります。
そのため、このような症状がある場合はまずは専門医にて検査をすることをお勧めいたします。
甲状腺ホルモンには以下のような働きがあります。
バセドウ病の治療の選択肢は主に3つあり、投薬、放射線治療、手術という方法があります。
病院での治療は主に薬物療法が主流となっており、抗甲状腺剤により甲状腺ホルモンの数値を下げていくことになります。
数値が下がってきたら、徐々に薬を減薬していき、さらに一定期間服薬を続けることになります。
そして、最終的には薬を中止し、甲状腺ホルモンの数値がどうなるかをみていきます。
一般的には薬での治療は2年以上は薬を飲み続ける必要がありますが、効果がいまいちの場合はさらに長い期間薬を飲み続ける必要があります。
バセドウ病には放射線治療という選択肢もあります。(アイソトープ治療)
こちらの治療法は甲状腺に対して放射線を照射することで甲状腺の組織を破壊し、ホルモンの分泌量を減らすという方法になります。
【メリット】
再発しないということと、甲状腺の腫れも治まる、入院の必要もないという点です。
【デメリット】
甲状腺機能低下症になってしまう、甲状腺眼の悪化の可能性、どの病院でも受けられるわけではないという点もあります。
バセドウ病は稀に手術により甲状腺自体を取ってしまうこともあります。
手術は最も確実にバセドウ病が治癒する方法になりますが、入院が必要、傷跡が残るなどのデメリットもあります。
実際に私の友人が夫がアメリカへ転勤することになったため、この選択を取っておりますが、喉に大きな傷跡ができていました。
そして、甲状腺を摘出することによりバセドウ病の症状は改善されますが、逆に甲状腺機能低下症という甲状腺ホルモンが低下することによる身体の不調が出てくることになります。
そのため、術後は生涯にわたり甲状腺ホルモンを補充するための薬の服用が必要になってきます。
そのため、治療に関しては医師としっかりと相談するようにしましょう。
バセドウ病の方が控えるべき食べ物はこちらになります。
こういったものは甲状腺ホルモンの数値を悪化させる要因になるため、注意しましょう。
鍼灸治療ではどのようにバセドウ病を治療していくのかについてお話していきます。
鍼灸治療でもバセドウ病の治療は可能となりますが、症状によっては改善できないものも出てきます。
具体的には甲状腺腫(甲状腺の腫れ)や甲状腺眼(眼球の突出)などは時間が経過しすぎているケースでは改善は難しくなってきます。
その他の症状は全身の状態を東洋医学の観点から診て治療を行っていき、薬が必要ない状態を目指していきます。
または、病院での薬物療法にてホルモン値が安定した後に薬を服用しなくても良いように鍼灸で体を整えていくという選択肢もあります。
薬を飲み続けることはそれはそれでリスクがあるため、鍼灸でバセドウ病をコントロールしていきます。
バセドウ病に効果のあるツボってどこなの?ということが気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
ネットなどには色々と効果のあるツボが紹介されていますが、こういったツボはあくまでもセルフケアレベルの効果になります。
残念ながら、紹介されているツボを自分で押したからと言って劇的な改善効果があるわけではありません。
鍼灸で改善していくために大切なのは「なぜバセドウ病を発症しているのか?」を見極めることです。
10人のバセドウ病の方がいれば、バセドウ病を発症した原因となる体質は違ってくるでしょう。
体質が違うということは反応が出てくるツボも変わってきますし、仮に体質が同じだったとしてもツボの反応は違ってきます。
つまり、効果のあるツボというのは身体を診て初めて分かるものになります。
一般的には合谷、内関、神門、肝兪、百会、照海などのツボが効果ありと言われています。
30代女性。
結婚をした20代後半ごろに月経不順だったため、色々と検査をしていくうちにバセドウ病であることが発覚する。
今のところ、薬を服用していることもあり数値は安定はしている。
その他の症状としてはイライラしやすい(特に職場で)、肩こり、生理痛、頭痛、生理前の諸症状、生理不順などあり。
月経周期は35~45日ほどで、時々1ヶ月以上来ないこともあり、基礎体温もかなりガタガタしている。
【弁証】:肝鬱気滞血瘀証によるバセドウ病
週1回のペースで鍼灸治療を行っていく。
1ヶ月後には肩こりがあまり気にならなくなり、また頭痛の頻度も気にならなくなってくる。
鍼灸治療を始めて3ヶ月が経過した頃には生理前の症状や基礎体温が整ってくる。
4ヶ月経過した頃から薬の量を一旦中止して様子を見ることになったが、鍼灸治療は引き続き週1回のペースで行っていく。
薬を中止して1ヶ月経過しても特に問題はなかったため、鍼灸治療は月に2回のペースに変更する。
その後さらに2ヵ月間、週2回のペースで鍼灸治療を行うが、血液検査でも甲状腺ホルモンの数値が高くなることがなかったため、治療を終了する。
バセドウ病は圧倒的に女性が気を付けなければいけない自己免疫疾患になります。
また、完治も難しい病気のため薬での治療を継続する必要も出てきます。
また、放射線治療や手術をすることで甲状腺ホルモンの過剰分泌は抑えられるようになるため、再発は防ぐことはできますが、別の問題も出てきてしまう少し厄介な病気とも言えます。
バセドウ病に対しても鍼灸治療はお力になれる部分はあるため、薬を飲み続けることに抵抗がある方や手術や放射線治療は最終手段にしたいという方はご相談いただければと思います。
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