当院でのストレスが原因で発症した咳喘息に対する鍼灸治療の症例をご紹介いたします。
2019年3月来院。
2月初旬に風邪を引き、発熱と咳が出る。
風邪が治りかけた所で家庭内でゴタゴタガあり咳が止まらなくなったため、内科を受診し咳喘息と診断され、薬を使用するも効果がなく、胃が痛くなる。
現在は発熱・頭痛・鼻水・鼻づまりなどの風邪の症状はなし。
昔から春やストレスが溜まると咳が止まらなくなるという症状あり。
イライラしやすい、ため息をよくつく、肩こり、頭痛、生理痛など※咳の症状がかなりひどい状態のため、問診は軽く済ませています。
また、同居している母親のわがままが酷い。
肝気犯肺証による咳喘息
横になるのが辛いため、座った状態で左太衝と左尺沢に20分置鍼すると治療後は咳が落ち着く。
3日後に再来院していただくと、治療当日と翌日はは咳がほとんど出なかったが、昨日かなりのストレスにさらされ、咳が出て夜も眠れない状態になってしまう。
初回の時よりも咳と痰の絡みが酷い印象があったため、左肺兪でまず症状を緩和させる。
その後、左列ケツと左太衝に20分置鍼すると1時間前が嘘のように咳が止まり、痰の絡みも解消され喉が楽になる。
以後は週1回のペースで治療を継続し、計5回で治療は終了。
毎年春になると咳が出たり、ストレスがかかると咳が出ることから肝気逆が起こりやすい体質であることは明確でした。
今回の咳喘息の発端は風邪を引き肺失粛降から肺気の上逆が起こり咳が出る他ことでした。
しかし、その後に家庭内でのストレスにより肝気の上逆が起こり、肺気の上逆がさらに酷くなり咳喘息を発症したと考えられます。
あまりにも咳が酷かったため、問診はほどほどにして、ツボの状態を診ていきましたが、ストレスの際に圧痛が出る太衝穴、肺と関係の深い、肺兪穴、尺沢穴などにかなりの圧痛がありました。
そのため、これらのツボに鍼を刺したところ、非常に効果があったようで、鍼を刺して数分後には咳が止まっていました。
ストレスによる咳喘息に対して咳を抑える薬はあまり意味がないため、なかなか改善しない咳喘息でお困りの方はご相談いただければと思います。
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