当院での妊活と喘息に対する鍼灸治療の症例をご紹介いたします。
2022年8月来院。
看護師として働いていた25歳の時にストレスから喘息を発症する。
31歳の時に喘息の症状が悪化したため、入院しステロイドによる治療を受けると喘息の症状は落ち着くが、ステロイドが原因で緑内障になってしまう。
35歳で結婚し、今年から子供のことを考えて妊活を考え始めるが、昨年の12月に風邪を引いてから喘息の症状が再発している。
来年の春ごろから妊活をスタートしたいが、まずは喘息を治してから本格的な妊活に入りたいため鍼灸治療を希望され来院される。
現在は1日3回の吸引とステロイドの内服薬を使用している。
また、緑内障は眼圧も左15、右18と問題ない状態になっている。
家系的にも気管支がが弱く、妹も喘息になっている。
喘息の悪化要因としては風邪を引いた時、季節の変わり目、花粉の時期など。
疲れやすい、息切れ、倦怠感、風を引きやすい、食後の眠気、疲れ目、髪のパサツキ、乾燥肌、イライラ(結婚してから)、おこりっぽい、悩み、足のむくみ、肩こり、腰痛(仙骨辺りがドーンとした感じ)、冷え性、トイレが近い、口の中が不味い感じがあり、喉も乾きやすい、上半身が熱くなり下半身が冷える感じあり、頭部の汗、手足のほてりもあり
喘息の症状がひどい時は黄色く、粘着質の痰が出ることが多い。
発作時の呼吸は呼気の方が辛い。
月経周期は28日、月経期間も7日で基礎体温もつけているが、全体的に体温が高いぐらいで2層にも分かれているため特に問題はない。
肺腎陰虚証、脾気虚による喘息
週1回のペースで治療を行っていく。
初回の治療は呼吸が楽になったが、夜中に1回は咳こんで起きてしまうことがある。また、痰の色は白に変わる。
4診目には夜中に咳き込むことがなくなる。
7診目に台風の影響で症状が少し酷くなり、痰の量も増えてしまい、夜中に咳き込むこともあった。
11診目には咳は気にならないが、喉に痰がへばりついている感じがあり、また黄色い痰が出る。
18診目、花粉シーズンに入り鼻のむずむずと咳が出てくるようになる。
20診目からは調子が良くなってきているので、月2回のペースに変更する。また、眼科で眼圧の定期検査を受けると以前よりも下がっていた。
21診目、調子が良い状態が続いているため、吸引を1日2回にしているが、特に問題ない。内服薬は継続中。
28診目、喘息の症状は調子が良く、時々、息苦しさを感じるぐらいのため、4月に入ったこともあり妊活を開始していく。
34診目、妊活を開始して2周期目で自然妊娠する。ステロイドの内服薬は最低でも8週目までは中止とするが、以降も調子よければ飲まない方向に決まる。そのため、鍼灸治療もこのまま月に2回のペースにて行っていく。
喘息に対する鍼灸治療についてはこちら。
喘息でお悩みの方は鍼灸治療が効果的【薬が効かない方は必見です】
妊娠、出産前に持病の喘息を良くしたいということで来院されました。
来院当初の喘息の状態は比較的落ち着いている状態ではありましたが、台風が近づいたり、季節の変わり目になるとやや悪化することはありましたが、希望通り、4月には喘息の症状はほとんど気にならない状態にまで良くなりました。
そのため、妊活をスタートしたところ2周期目で自然妊娠されました。
喘息がある状態で妊娠すると胎児に十分な酸素が供給されないことでリスクを伴うこともあるため、持病として喘息を持っている方は妊娠前に喘息の状態を良くしておく方が良いことになります。
現在も月に2回の鍼灸治療を継続しておりますが、ステロイドの内服薬は飲まなくても問題ない状態が続いています。
また、喘息の治療で使用したステロイドが原因で発症した緑内障も眼圧もさらに下がり、また視野検査の結果も良くなっていました。
鍼灸治療はまずは肺腎陰虚という呼吸と関連する肺と腎が渇いた状態を改善させ、その後に胃腸の弱りである脾気虚の治療を行っていきました。
妊活と鍼灸についてはこちら。
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