中学生、または高校生のお子さんをお持ちの方で子供が朝起きれなくて学校に行けていないと悩んでいませんか?
ひょっとすると朝起きられないのは起立性調節障害という病気が原因かもしれません。
本記事では起立性調節障害がどのような病気なのか、どのように治療をするのか、鍼灸治療で改善できるかどうかについて解説していきます。
起立性調節障害とはあまり聞きなれない病名ですが、中学生や高校生の子供がなりやすい病気になります。
起立性調節障害とは一言でいえば「自律神経の乱れにより血圧の調節がうまくいかない病気」と言えます。
この病気の症状は実に様々なですが、以下のような症状があります。
この病気で特に問題視されるのが、朝起きることができないという症状です。
本人の気持ちとしては学校へ行くために起きたいのに起きられないという症状が強く出てきます。
そのため、親としては「怠けている」ように見えてしまいますが、決して怠けているわけではありません。
また、朝起きられないという症状以外には特に午前中に体調が悪く、午後になると普段通りの生活を送ることができるということもあります。
起立性調節障害の原因は主に3つ考えられます。
現代の中学生や高校生は夜中までスマホでゲームや動画を見る生活をすることにより、生活習慣の乱れが起きています。
こういったちょっとしたことがきっかけで自律神経が乱れてしまいます。
また、中学~高校時代は体の成長期であるため、体の成長に自律神経の働きが追い付かないことがあります。
私自身も小6の時に最も体が成長しましたが、朝起きられないということはなかったですが、頻繁に頭が割れそうなぐらいの頭痛が起きていました。
この成長期の自律神経の乱れに加えて、不規則な生活を送っているとさらに体の調子を崩しやすくなってしまいます。
また、この病気が最近知られることになったきっかけが、コロナによる生活環境の変化というストレスです。
このようなストレスにより自律神経が乱れることにより起立性調節障害を発症してしまいます。
起立性調節障害の疑いがある場合に何かを受診すればよいのか、またどのように治療をしていくのかなどご説明していきます。
この病気の疑いがあった場合はまずは小児科を受診するようにしましょう。
心の問題かな?と思ってしまう部分もありますが、自律神経の乱れのため、心療内科よりも子供の症状に詳しい小児科の方が適切な診断をしてもらうことができます。
この病気の治療には「ミドドリアン」という末梢血管を収縮させて、血圧をあげる薬が使用されますが、薬では根本的な治療にはなりません。
起立性調節障害をしっかりと改善するためには以下が重要です。
このような生活習慣の改善を行うことが非常に重要となってきます。
また、病気に対する両親の理解と共に学校側の理解も必要になってくるため、両親からの学校側への病気の説明も行ってあげましょう。
【朝起きられない…起立性調節障害の原因・症状・治療法を解説】
もし、お子さんの原因が学校生活によるストレスが原因となると、環境を変える必要も出てきます。
学校生活で友人関係だけではなく、担任や部活動の顧問との間で問題を抱えていることも少なくありません。
こういった場合は学校側と問題を解決していく必要があります。
高校生の場合は少し難しいかもしれませんが、中学生の場合は思い切って引っ越してしまうのも1つの選択肢となります。
また、家庭の中でも問題がないかどうかのチェックも必要となります。
起立性調節障害は病院での治療以外にも鍼灸治療でも改善することが可能となります。
この病気の原因は自律神経の乱れとなるため、鍼灸治療でも改善することが可能となります。
鍼灸治療は体に鍼を刺すことで乱れた交感神経と副交感神経のアンバランスを整えることができます。
当院でもこの病気で来院した高校生と中学生を治療したことがありますが、2人ともしっかり改善することができました。
ただし、鍼灸治療は大人であっても抵抗がある方もいるため、中学生や高校生であればなおさらです。
「改善できる可能性があるなら受けさせたい」という考え方を持たれる親御さんもいらっしゃると思いますが、まずは本人が鍼灸治療を受ける意思があるかどうかを確認してください。
本人が受けたくないという気持ちがあるのに鍼灸治療を行っても効果は出にくくなります。
現代医学では起立性調節障害は自律神経の乱れと言えますが、東洋医学ではまったく違った体の診方をしていきます。
東洋医学ではこの病気は以下のように見ていきます。
具体的な状態(体質)は1人ひとり違いますが、東洋医学ではこのような状態(体質)が起立性調節障害を引き起こすことになります。
東洋医学で言う「肝」は自律神経のような働きをしており、また「心」はそのままメンタルの状態を意味します。
そのため、東洋医学では自律神経のような働きをする肝に問題があれば肝を治療していき、ココロの問題があれば心を治療していくことになります。
また、肝と心の影響により、「脾」という胃腸に影響が出て、食欲不振や吐き気などの症状があれば脾の治療も行っていくことになります。
起立性調節障害は主に思春期の子供に起こりやすく、その原因は自律神経の乱れになります。
特に昨年から新型コロナウイルスによる学校の休講、部活動の練習禁止、大会の中止、リモート授業、友達に会えない、生活リズムの乱れなどのストレスによって起立性調節障害を発症してしまう子供が増えています。
薬での治療も可能ですが、一番必要なのは生活習慣の改善です。
また、この病気は自律神経の乱れが原因となるため、鍼灸治療でも改善可能のため、治療の選択肢の1つとしてお考えいただければと思います。
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